働き続けるための【育児休暇制度】
男性も取得可能な制度
ワークライフバランスを考える上で出産に関する産休と同様、子供を育てるための育休の存在も見逃せません。そもそも育休は正式には育児休業といい、労働基準法によって規定される産休と異なり、育児休業法によって規定されている制度で、生まれた子供が1歳になるまで最大1年間休暇を取得できるという制度です。ちなみに子供が生まれた女性が取得する制度が育休だと思われている方が大勢いますが、これは誤った認識になります。正しくは子供を養育する労働者であれば誰でもそのための休暇を取得できる制度であり、男性も制度利用の対象に含まれます。
少子化対策という目的
育児休暇制度が整備された目的は時代の流れに沿ってワークライフバランスの実現や、雇用の安定化を狙ってのものとされています。ただその他に、少子高齢化のへの対策の一環という観点も見逃せません。日本の高齢化や少子化は深刻な状態にありますが、その原因の1つに若い人が子供を育てづらい環境にあると言われています。子供を妊娠して出産すれば当然養育のために時間を使わなければなりません。しかしその間に収入が途絶えてしまったり、養育期間を過ぎたのちに仕事のあてが無くなってしまったりするのでは困ってしまい、子供を産むことを選択できる方が少なくなってしまうのです。
育児休暇中の収入
さて気になる育児休暇中の収入についてですが、どの程度支給されるのか法律上の明確な規定はありません。各会社に任されており賃金が支給されない場合もあります。ただそのような場合は雇用保険から最大で元の賃金の50%が支給されることとなります。
また、育児休業期間中は健康保険や厚生年金保険などの社会保険料の本人負担が免除されるため手取額という意味では助かるといえるでしょう。事業主負担も免除されるため、雇用する側にも労働者の育児休暇取得による経営への影響が少なくなるよう配慮された制度設計がなされています。
低い男性の取得率
日本の育児休暇制度を考えていく上で残念ながらもきちんと見据えていかなければならないのは、男性の育児休暇の取得率の低さでしょう。育児休暇制度は諸外国にも類似制度が多いのですが、日本の場合男性の育児休暇取得率は2.5%ほどしかなく、これは先進国の中で際立って低い数字です。
特に女性のワークライフバランスを考える上で、男性の協力は欠かせません。育児休暇制度は少子化の防止という狙いもあると上に書きましたが、そのような背景を鑑みても男性の育児休暇の取得と育児への参画が今後の重要テーマといえます。
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